人気ブログランキング | 話題のタグを見る

真摯に音楽を信じ続けるという事。

MY LIFE IS MY MESSAGEのタカノさんが、
そうまかえる新聞のブログで次のようなメッセージを書いてくださってます。
http://somakaeru.jugem.jp/

あんまり感動したので、ここにもそのままコピーさせて頂きます!
(タカノさん、お会いできて本当に良かったです!)

(以下、そのまま転載)
------------
2016.05.25 Wednesday

「愛が結実した夜」

真摯に音楽を信じ続けるという事。_e0356014_18275998.jpg

東日本大震災、そして
福島第一原発の事故が発生してから5年が経った。


5年前、必要だったのは
食料、水、ガソリン、寝るところ、風呂、家族の絆…、
つまりその日生きるためのもの。
それまで自分が好きだった、そして信じていた音楽は、
ひたすら生きることに必至で、必要ではなくなっていた。
「音楽に一体何の意味がある?」という思いすらあった。


山口洋さんが
「オレは相馬を一方的に支援する、
一切の見返りは求めない」と言って相馬に突然来て
プロジェクト「MY LIFE IS MY MESSAGE.」が
立ち上がってから5年が経った。


初期段階では、被災者に対して
プロジェクトから
ガイガーカウンター、ラジカセ、
炊き出しなど「物資」の支援を受けた。
しかし、プロジェクトの中心にはいつも音楽があった。
ボクがあのとき「一体何の意味がある?」と思った
音楽があった。


震災直後から
被災地では震災復興のためのたくさんのプロジェクトや
NPO法人が立ち上がった。
しかし、この5年間でそのほとんどが縮小したり
消滅したりしている。
ボクは、こんなに長く、そして今も肥大化し続けている
プロジェクトは「MY LIFE IS MY MESSAGE.」以外に
知らない。


5月14日、「MY LIFE IS MY MESSAGE.」を通じて
相馬・南相馬に思いを馳せる北海道から沖縄までの
ミュージシャンが相馬の菊地蔵に集まった。


このイベントのためのフライヤーを
デザインしてくれた広島の佐藤さん、
函館産の「八味」に、みかんの提供をしてくれた
愛媛の坂野さんもお客さんとして会場に来てくれた。
坂野さんは、手薄となってしまった
会場受付の手伝いをしてくれた。


地元からは、もくもくの佐藤所長がイベントのフラッグを描き
とし枝ちゃんが福島県内の美しい風景の写真を会場に飾り、
自立研修所えんどう豆がプロジェクトに対するお礼として
来場者と出演者全員に缶バッジを寄付してくれた。


会場は愛に満たされていた。


そして
広島県福山市で福島を応援するために
「ポレポレ方式」ライブを考案し実践している手島裕さん、
札幌「円山夜想」で「500L」と題して
定期的に「ポレポレ方式ライブ」を開催している本間健二さん、
広島から「相馬盆唄」に新たな息吹を吹き込んだKAZEASHI、
伝統的な手法で同じく「相馬盆唄」を披露してくれた佐藤幸江さん、
石垣島から来てくれて
歌を通じ人間の力強さと自然の偉大さを描いた池田真作さん、
こういった人たちをはじめとした
15組のミュージシャンがたった3曲を演奏するため、
相馬に集まってくれた。


素敵なライブになる条件は揃い過ぎていた。


本編最後に出演した山口さんは
「君を連れて行く」を演奏した。
思えば2011年12月、山口さんが相馬で
震災後に初めてソロライブをした時、
1曲目がこの曲だったことを思い出した。
もっとも、あのときは会場に異様な緊張感があった。
「怒り」「悲しさ」「やるせなさ」、
そういうエネルギーが渦巻いていた。
でも
プロジェクト「MY LIFE IS MY MESSAGE.」が
この5年という歳月の中で
そのマイナス・エネルギーを
プラス・エネルギーに転換してくれた。
「音楽」というフィルターを通じて。
だから山口さんが演奏したこの曲も
あの日とは聞こえ方が違っていた。


最後に参加者全員で演奏した「満月の夕」。
山口さん本人も
「もはやあの曲は自分や中川敬の曲じゃない、
手元を離れてみんなの曲になった」と言っているけど
あの日、それぞれの「満月の夕」があった。
北海道から沖縄までの違った満月の風景が見えた。


今、熊本ではもしかしたら
「音楽に一体何の意味がある?」という状態かもしれない。
でも、ボクらはその音楽に救われた。
ボクらは音楽に心を支えられた。
ボクらは音楽で全国の仲間とつながり、勇気づけられた。
だから、熊本の人たちも音楽を信じていてほしい。
あの日からボクらはたくさんの組織や人に
裏切られもしたけど
音楽に裏切られたことは一度もなかったから。


こうやって全国の愛が相馬で結実した夜、
自分も同じステージに立てたことを幸運に思う。


そして、このライブを企画し、
段取りや出演者の交渉など、
ほぼ1人でやりきったガイガー柚原氏に感謝したい。


タカノ
------------


by kazeashi | 2016-05-26 12:22 | KAZEASHI
<< 拝啓 大統領 そしてポレポレに帰省。 >>